初めての劇場型犯罪と言われたグリコ・森永事件とはなんだったのでしょうか?
バブルの入り口で起こったこの犯罪は、グリコの社長の誘拐で幕を開けましたが、のちにマスコミを巻き込んで日本中に影響を与え警察を馬鹿にするのが目的なのではないかと思われるような事件でした。
実のところ、警察の構造的な欠陥を内部告発するかのように、警察とマスコミの関係を利用した犯罪だったようにも感じます。
当然犯罪とは悪いことなわけですが、正しいと思われていた警察のあり方が根本的に問われるような事件でもあったのではないでしょうか?誘拐事件や毒入り危険という前代未聞の犯罪でありながら、株価操作の目的があったのかもしれません。
警察は、犯人逮捕のためにマスコミには真相を隠し、誤った情報が新聞紙上やテレビに登場しました。結果的に、警察は犯人逮捕する気がないのではないのか?そう思えるような展開をみせたのです。ひょっとすると警察内部にも犯人グループの人間がいるのではないか?そんな不信感はとどまるところがありませんでした。
森永製菓は、1時期9割の減産に追い込まれ倒産寸前まで追い込まれたと思われます。怨恨で行われた犯罪であったとしたら、目的は完全にたせられたのではないかと思います。そして、もし警察という組織がなかったとしたらこのような事件はそもそも起きなかったのではないのかとさえ思われます。
さらに、現場の警察官の思惑と組織としての警察には、かなりの隔たりがあったのではないでしょうか?犯人は、ひょっとして警察そのものなのではないか?そう思ったのは私だけかもしれません。警察の内部構造は、現在に至るまで何の進歩もしていないどころか、悪くなっているのではないかとさえ思われます。
冤罪で犯人がでっち上げられずに、未解決に終わってしまったのは、実は、良かったのかもしれません。